薬草

森下自然医食

創造的な人生を歩む

究極の消ガンメニュー

森下敬一博士

まず最初に、万病を癒す「森下消ガンメニュー」から紹介します。最速で万病を治してください。これを実行したほんとに多くの方が、三ヵ月でガンを治したと言います。5万人診て8割の方がガンを根治させています。血の汚れが、あまりに酷い場合は何年かかかるそうですが、最速を体感してください。
これを見たら真っ先に、「玄米」から買うことです。インターネット通販で無農薬か残留農薬ゼロの玄米を選びます。自然栽培ならさらに言うことはないです。白米が余っているのどうのは全く考えないで下さい。自分用の炊飯器を買ってでも、始めて下さい。玄米に切り替えるのは緊急性があります。農家は玄米でお米を貯蔵していますから、通販できない人は、それを買って下さい。

朝食……一日元気に活動するための交換神経を優位にし、排泄のためのスイッチを入れることが目的なので、ごく少量で良い。
<メニュー例(いずれか一品のみ)>
・玄米おもゆ一膳
・季節の野菜や青菜を入れた味噌汁一杯
・リンゴ一個
・絞りたての果物・野菜ジュースコップ一杯
・緑茶の中に梅干しを一個いれたもの一杯


昼食……基本的には食べないことが望ましい。お勤めの方は左記のお弁当を持参するのがおすすめ。
<メニュー例>
・玄米・雑穀おむすび1~2個
主食用の玄米・雑穀を自然塩でむすんだもの。中に梅干しを入れると殺菌作用もあって良い。海苔を巻く。大葉を巻くのも良い(防腐剤がわりになる)。
・漬け物 たくわんなどを数枚

夕食……自然医食療法の基本にしたがって、玄米・雑穀ごはんを主食に。おかずは季節の野菜・海草・小魚を。発酵食品の味噌汁を添える。一口100回噛むことを忘れずに。

「量としては足りないかもしれませんが、続けて行くうちにだんだん慣れて来ます。どうしても間食が必要という方は、木の実かドライフルーツを。
実際に私自身、このメニューを厳密に実行しており、昼食は食べません。しかし、昼間はクリニックで診察を行い、夜は少しお酒もいただきながら、原稿書きや読書などを行い、時にはテレビを観て、何ら問題なく健康で元気に過ごしています」(『ガンは食事で治す』森下博士)
自然塩は「カンホアの塩」がお勧め。これに勝てる塩は世界にありません。ベトナムで作られているので安いです。次に「海の精」。味噌・しょうゆは、まず塩、次に自然な製法で選びます。味噌は、海の精の木樽造り玄米味噌、しょうゆは、オーサワの木樽造りがお勧めです。酢は、富士酢の玄米黒酢。みりんは使わない。植物油は「低温・圧搾」に限定。梅干しとたくわんは、海の精。ぬか床は有機ぬか。お野菜は「コープ自然派」などの宅配のオーガニックか自然栽培。水道には浄水器です。「ガイアの水」のラーニングコストが一番良い。メニューと共に味覚が冴えて変わります。
「一物全体」であり、お野菜の皮はむきません。小魚はめざしなどの「片手手のひらにの乗るもの」を、丸ごと食べます。
人間の歯並びとして、臼歯:門歯:犬歯の比率は、5:2:1です。これに従えば、穀物5:野菜・海草2:小魚1の割合で食べるのが理想的となるのです(62.5%・25%・12.5%)。つまり、人間は穀・菜食の生き物です。

ガンを作る食品

ガンを作る食品

ガンを作る食物を列挙します。
動物性たんぱく質――肉、牛乳、卵と、これらの加工食品(ハンバーグ、ハム、チーズなど)
精白食品――白米、白パン、精白小麦粉製品(ラーメン、うどん、パスタ、ピザ、スナック菓子など)
化学調味料類――化学塩、化学調味料、だし類など
白砂糖食品――白砂糖、チョコレート、アイスクリーム、ケーキ類、市販の総菜類
食品添加物入り加工食品――結着剤・人口甘味料入りのかまぼこ・はんぺん類、保存料入りのみそや醤油、人工着色で色付けしたタラコやたくわんなど
動物性脂肪――バター、ラード
不自然な植物性脂肪――マーガリン、化学的抽出剤使用の植物油
油の酸化が気になる食品――市販の天ぷら、フライ類、ポテトチップス、その他揚げ菓子類
大魚の部分食――刺身、切り身
ここに挙げている食品は、腸の中で腐敗を起こしやすく、ガンの原因にある食品です。これらの食品を避け、腸内細菌の性状を健康に保つことが、ガンにならない、そして、ガンを消すための第一歩です。

避けるべき三大食品は「肉」「牛乳」「卵」

ガンを作る食物群の中でも、最も避けるべきは、動物性タンパク質の「肉」「牛乳」「卵」です。この三つは、腸の中に腐敗菌などの有害な細菌を繁殖させてしまいます。有害な細菌が繁殖すれば、様々な毒素が発生し、それが血液の中に取り込まれ、体中を駆け巡り、ガンや他の病気も発生させることになります。
人間はもともと穀物やお野菜などを食べる動物です。そのため、腸はこれらの動物性タンパク質をスムーズに処理するようにはできていません。しかも、これらの食品には繊維質がないために、特に腸の中に停滞しやすく腐りやすいので、その結果強烈な毒素を生み出してしますのです。
血液も汚れており、異常な粘り気があり、血中コレステロールの量が多く、血糖値も高くなっています。この状態では体細胞への酸素の補給も満足に行えず、心臓、腎臓、血管などに余計な負担をかけ、当然、それらの機能も低下しています。
人間の腸の中には、だいたい100種類、100兆個以上の腸内細菌が存在しています。肉類を食べると、この中にウェルシュ菌が増えます。ウェルシュ菌は、人体に悪影響を及ぼす悪玉菌の一種で、肉に含まれるアミノ酸を分解して、アミン、スカトール、アンモニア、硫化水素などの毒素を発生させてしまいます。
これらの毒素は腸壁から吸収されて血液に乗り、全身に様々な悪影響を及ぼします。中でもアミンは、胃腸で亜硝酸と結びついて強力な発がん物質「ニトロソアミン」を作るのです。
「腐(くさる)」と言う字の中には「肉」と言う字が含まれています。「腐」と言う字はもともと五臓六腑の「腑」から生まれたものです。五臓の「臓」とは、肝臓や腎臓のように、内部に細胞がぎっしり詰まっている器官のことを言います。一方六腑の「腑」は、臓器の内部が空洞状態になっている器官のことをさします。そして、その代表は「腸」です。「腸」である「腑」に「肉」が入った状態が、「腐る」と言うわけです。
また、「癌」は、やまいだれに、品数が山のように多いと書きます。つまり、多食、飽食、美食もガンと言う病気の元だと言うわけです。

有名な実験結果があります。
動物に高タンパク質の食品を与え、その動物がタンパク質の成分の一つである窒素をどれだけ排出するのかを計測します。その食品もともと含まれていた窒素の量と、排泄された窒素の量との差は、体内に蓄積された窒素の量と考えて、その動物の体をくまなく調べます。
しかし、窒素が体内に吸収・貯蔵された形跡はまったく見られず、排泄された量が多かったのです。これを「窒素の雲隠れ現象(De-nitrification)」と言います。
これと同じ実験を、人間で行った研究者もいます。フランスのケルブラン博士です。
彼の研究でも、体内に入った動物性タンパク質が、そのまま体のタンパク質として役立っているとは言い難い結果が出たのです。
実は、タンパク質は消化管の中で、炭水化物に還元されてから利用されるものですが この還元する作業が、本来、穀物・菜食動物である人間の体の中ではスムーズに進みません。むしろ胃腸に負担をかけ、血液は酸毒化します。そうなれば、内臓をはじめ、他の器官の働きも固まります。

インド国立栄養研究所所長だったマッカリソン博士は、ネズミに異なった餌を与え、それぞれの健康状態を調査しました。
1000匹ずつ三つのグループに分け、それぞれのグループに別の餌を与え、飼育したのです。
一つ目のグループは、長寿地域の食生活を模して、穀類と野菜を与えます。
二つ目のグループには、インドで一般的な食事、すなわち穀類、肉、香辛料を与えます。
そして、三つ目のグループには、西洋食(肉、バター、チーズ、白砂糖)を与えました。
2年7ヶ月(人間の年齢で60歳くらいに相当)経過後、ネズミを解剖して、健康状態を調べました。
その結果、穀類と野菜を与えた長寿食グループは、一匹の例外もなく、健康な状態でした。
それに対し、二番目のインド食グループでは、胃腸障害、貧血、肝炎、腎炎、脱毛などが起こっていました。
そして、3番目の西洋食グループは、病気が頻発しているばかりではなく、何十匹かがいなくなっていたのです。最初は「どこに逃げたか?」と思われたのですが、残りのネズミの腸の内容物から、ネズミを食していたことが判明したのでした。
つまり、このグループのネズミは、たっぷり高タンパク質の餌を与えられていたにもかかわらず、共食いをしていたということなのです。
この結果が肉体と精神の健康をいかに左右するかと言うことを端的に表していると思います。一般的に「粗食」と思われる穀・菜食が健康的であり、また、タンパク質の供給源とされている肉や乳製品が、実は精神と肉体に病気をもたらす不健康食であったと言うことなのです。

肉同様、卵のタンパク質も腸の中でスムーズに処理されないです。卵のタンパク質は胃腸に負担をかけるばかりでなく、弱った腸壁をすり抜けて血液の中に入りやすく、それによってガンやアレルギー体質を作りだすのです。
そもそも卵は、コレステロールをたくさん含む食品です。消化酵素の一つ、トリプシンの働きを阻害する作用があり、さらにはビタミンの欠乏を引き起こすビオチンという物質も入っています。生卵を飲むとスタミナがついたような気になるのは、卵に含まれるレシチンやリン酸やコリンが細胞を興奮させる作用があるからで、本当に強精効果があるわけではありません。
飼育環境も悪く、ガン(白血病)やその他の病気にかかっている鶏も多く、餌として与えられる人工飼料にも、抗生物質や合成ホルモンが入れられていて、それが卵の中に出てきています。これも発がん物質なのです。
つまり、卵は人工的に作られた発がん食品であり、人間の健康に寄与する食品であるとは言えません。

牛乳は肉や卵と同様、摂ってはいけない食品です。
人間の消化管ではスムーズに処理されない食品であり、いろいろな毒素を発生させて血液を汚します、とくに牛乳タンパク質「ガゼイン」は粒子が小さいため、腸の機能が弱っている時は、腸壁を素通りして血液の中に入っていきます。人間のタンパク質と異なるガゼインが直接に人体組織に触れることによって、人間の体には、アレルギー反応が起こります。
子供のアレルギー体質や、小児ぜんそく、慢性湿疹などは、牛乳の摂りすぎです。
アレルギー体質は、イコール「ガン体質」です。ガンはアレルギー症状の進んだものと考えて差し支えありません。
フランスのヴォーザン博士の研究によると、牛乳には無機の銅が少ないので、血液中の酵素のラクターゼの活性を減少させることが、明らかになっています。人間の体内で起こる様々な物理代謝の過程で生じる過酸化水素は、そのまま放っておくと細胞の核タンパクと結びついて、病的なウイルスを形成します。そうならないように無害な水と酸素に分解してくれるのが、カタラーゼです。カタラーゼの活性が弱まってしまうと、体内で過酸化水素が過剰になり、ウイルスが生まれ、細胞が傷つけられて炎症が起こりやすくなり、ガン腫が作られやすくなります。実際、ガン患者は例外なく、血液のラクターゼの活性が低下しています。
腸の中で毒素を作って血液を汚し、血液中に異種タンパク質を流し込んでアレルギー体質を生み、ラクターゼの活性を低下させてガン腫を作る牛乳は、どこからどう考えても、発がん食品であり、有毒食品です。
牛乳には「乳糖」という糖類が含まれていますが、これを消化吸収するためには「ラクターゼ」という分解酵素が必要です。乳幼児には腸の中に十分存在しているラクターゼも、乳離れと共に消滅します。
牛乳の乳糖は消化されないまま、腸内細菌の作用を受け、異常発酵を起こします。そのため、牛乳を飲むと下痢をすると言う人が大勢いるのです。
牛乳の質は非常に悪く、農薬まみれの飼料や、ホルモン剤、抗生物質を大量に与えられています。それを飲むことになるのです。

「白米」は文字通り「カス」(粕)―玄米・雑穀が主食

玄米と白米の主な栄養成分比較表

穀類は人間の生理機能全体を健全に働かせるために必要な栄養分、すなわち炭水化物、租タンパク類、脂肪、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、微量元素を総合的に含んでいます。この点で、穀物より優れた食品は見当たりません。
ゆえに、穀類を主食にしていれば、自然に栄養のバランスがとれるのです。
<白米の欠点>
・ミネラル欠乏……総ミネラルが玄米に比べて半減し、慢性病体質を生む最大の因子。
・繊維不足……腸や血液の大掃除をしてくれる食物繊維が大幅に少なくなっている。
・ビタミンE欠乏……若返りビタミンであるビタミンEは、大部分が胚芽とぬかに含まれる。白米は老化食。
・便秘を起こしやすい……精白食品である白米は、腸のせんそう運動を弱め、腸内容がスムーズに流れて行かなくなる。
・肥満しやすい……有効成分の宝庫である胚芽が失われるから、体全体の代謝が鈍る。貧血・スタミナ切れとなり、バテやすくなる。
このような欠点に起因して、慢性病が起こる。すべての慢性病の根底には、白米食による胚芽欠乏がある。
白米には、リゾレシチンという発がん促進物質が含まれています。一方、胚芽を含む玄米には、このリゾレシチンの作用を抑制する抗がん因子が含まれているだけでなく、農薬や放射線などの発がん因子を解毒・排除するキトレート物質も含まれています。
大切な胚芽を捨て去り、国民総「半健康」状態になっているのは、誠に愚かなことです。
「米」偏に「白」と書いて「粕」つまり「カス」と読むように、白米はお米が本来持っている豊富な栄養分を取り去ったカスに他ならないのです。これら漢字の成り立ちを考えても、昔の人の洞察力には、ただただ敬服します。

「白米」と「白砂糖」、「化学塩(精製塩)」の三つを「三白」と言います。精白小麦や化学調味料も、これに含まれるでしょう。
「白砂糖」は、素材であるサトウキビやサトウダイコンの絞り汁を極限的に精製した、人工物であり、糖分以外の栄養分を何も含まれない食品です。
体の組織細胞を弛緩させる働きを持っています。体内のいろいろな臓器や組織、それも骨や歯などの硬い組織さえも、どんどん蚕食していくのです。
甘いもの好きは、いつも調子が悪く、疲れやすく、風邪をひきやすいのです。その原因は体細胞が緩んでしまっているからです。これもガン体質の原因。J・E・バッカー博士は、白砂糖の消費が増えるとガン患者も増えるという研究結果を発表しています。
塩は本来、人間の体にとっては、必要不可欠な食品です。しかし、それが化学的に合成された塩となると、話はまったく変わってきます。純度99・9%のイオン化合物は、大なり小なり人体に悪い影響を与えます。
化学調味料に関しても同じことが言えます。妊娠中に化学調味料を多食した女性から生まれた子に、脳障害などの異常がみられたということがありました。神経毒です。これも体に悪影響を及ぼす発がん物質です。

「玄米」はそれ自体がバランスのとれた完全栄養食品です。
ビタミンB1-―炭水化物が体内で有効に吸収され、燃焼するのに欠かせないビタミンです。もし不足すると、脚気の症状が引き起こされます。玄米には白米の4倍の量が含まれています。
ビタミンB2-―B1と同じく炭水化物の代謝に関係するビタミンで、脂肪の代謝にも不可欠です。不足すると、老化したり、スタミナが減退します。最近では、肝臓の解毒作用をスムーズする効果があることが分かり、注目されています。腸の中の異常発酵によって発生した発ガン物質などの毒素を、すみやかに処理するのを手助けしてくれるので、非常に大切な成分と言えます。
プロビタミンC-―ビタミンCと同類で、体内でビタミンCに変わります。ビタミンCというと、新鮮な生野菜や果物にしか含まれていないと思われているようですが、玄米にもプロビタミンCが含まれているので、ビタミンCを摂るのと同じ効果が期待できます。
ビタミンCが欠乏すると、毛細血管から出血しやすくなります。それは、血管の壁の中のゼラチン質が減ってしまうからです。このゼラチン質を作り出す細胞機能に欠かせないのが、ビタミンAとCです。玄米にはビタミンAも豊富に含まれているので、ゼラチン質の生成に有効なのです。ゼラチン質が多く含まれている器官は、血管、皮膚、骨、軟骨、靭帯などで、玄米はこれらの器官の強化に効果が高いのです。
また、ビタミンAとCが不足すると、これらの器官が弱くなるだけでなく、体全体の抵抗力が弱って、病気にかかりやすくなります。
ニコチン酸(ナイアシン)――欠乏すると皮膚や粘膜に炎症が起こります。慢性的に欠乏した場合、口角炎、便秘、下痢、腹痛、胃炎などを起こしやすくなります。
また、神経系、とくに脳細胞の機能にも関わっていて、不足するとノイローゼなどが生じやすくなります。
パントテン酸――神経系や内分泌系の機能を正常にする重要な働きをする成分で、脂肪の代謝にも関わります。肌を美しくする作用もあります。パントテン酸が不足すると、無気力になったり、性ホルモンの分泌にも障害が起こります。白米には玄米の半分以下しか含まれていません。
ビタミンE――老化を促す過酸化脂肪の発生を防ぎ、血管の弾力性を高め、血流を良くする作用があります。そのため、すべての組織と臓器を若々しく保ってくれます。白米にはほとんど含まれていません。
脂肪酸――良質の脂肪酸であるリノール酸がたっぷり含まれています。動脈硬化を防止することによって慢性病を防ぐことに役立ちます。また細胞膜の機能を健全にして、体細胞への物質の出入りを適性にする働きもありますから、細胞機能が活発になり、体の抵抗力が強まります。
玄米には繊維がたっぷり含まれています。玄米を食べると便の量が多くなるのは、腸内の停滞物を、玄米の繊維が奇麗にさらって排出してくれるからです。また、レシチンも豊富で、細胞膜や血球膜の機能を健全にする力があり、毒素に対する抵抗力を強めてくれます。
炭水化物は、一般的にカロリー源になるだけと思われていますが、もっとも本質的な役割は、体のタンパク質を生合成する主役になっていることです。ゆえに、体にとって最も基本となる最重要の栄養成分と言えます。
炭水化物がスムーズに吸収され、体にとっての必要な成分に変化し、効率よく燃焼するためには、ミネラル、ビタミン、酵素などの有効成分と共存してることです。ゆえに、白米ではなく玄米なのです。

「雑穀」を玄米に加えると、さらにバランス良く、薬効性の高い主食になります。
キビ、アワ、ムギ(丸麦)、ソバ、ハトムギ、ヒエなどは、とても生命力や野草性が強く、それぞれが異なった組成をもち、粗タンパクやミネラル、微量元素、酸素、特殊薬効成分などを、豊富に含んでいます。
たとえば、ヒエの粗タンパクはコメの2倍、類脂肪は米の20倍にもなります。ここに、解毒作用のあるアズキやクロマメといった乾豆を加えると、ほぼ完全な主食になります。
ただし、あくまでも主役は玄米です。ですから、玄米を5割以上にして、なるべくいろいろな種類の雑穀類を加えて主食としてください。
とくにガンの治療食としては、4~5割の雑穀を加えます。厳密には、体質・病状に合った雑穀の組み合わせにするのがベストですが、基本的には、キビアワハトムギ、そしてアズキクロマメは必ず加えたいところです。

「徹底的に噛む」。白米のように、ほとんどデンプン質だけになっている米なら、そんなに噛まなくても、のどを通っていきますし、有効成分をほとんど取り除かれていますから、どんなに噛んでも、うま味は少しかもしれません。
現代は、柔らかいことが、食物の第一条件であるかのように「やわかい」が美味しいと同義語のように使われ、噛む回数も驚くほど少なくなっています。しかし、それは過食や胃腸の調子を悪くする原因になるのです。
食物をよく噛まないで食べている人は、たいてい胃の具合が悪いのです。胃腸障害が起これば、体が疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりします。
ガンになるのは、極端に血液が汚れるためですが、その血液の汚れは、まず、胃腸障害が口火となって起こるのです。
よく噛んで食べれば、あごの運動に伴って、脳の中枢に信号が送られ、早く満腹感が得られるようになります。そのため、食べる量が少なくてすみます。少食になれば、胃腸の負担もそれだけ減ります。
よく噛むことによって、唾液の分泌が促進され、消化作業がスムーズに進みます。腸壁の生理を健全化し、必要な栄養成分が効率よく、吸収されるようになります。100回噛むことを、目指しましょう。

副食・調味料・水

副食・調味料・水

主食を玄米・雑穀にすれば、それだけでも栄養のとれた食事になりますから、副食に関して、それほど神経質になる必要はありません。
あくまで主食を中心にして、おかずを食べ過ぎないように注意します。
とはいえ、主食だけの食事で良いというわけではありません。副食には、体質の偏りを正して、季節や風土など、その時々の環境条件に体を適応させるという役割があります。
副食の基本としては「季節の野菜」「海草」「発酵食品」「小魚」の四つを摂ることを考えましょう。この基本に従って、自分の体質や季節、生活条件に応じて、変化のあるメニューを楽しみたいものです。
<積極的に摂りたい食品>
●根菜――ニンジン、ゴボウ、レンコン、ダイコンなど
●葉(茎)菜――ニラ、春菊、三つ葉、グリーンアスパラ、フキなど
●ネギ類――ネギ、タマネギ、ワケギ、アサツキ、エシャロット
●海草――ヒジキ、ワカメ、昆布、海苔、青海苔、モズク
●発酵食品――納豆、味噌、醤油、漬け物など
●ジャコ、ホタルイカ、サクラエビ、シジミ、アサリなど
これらの食品は、ビタミン、ミネラルを補給し、体質の柔軟性を保ち、外界への適応力を高めてくれます。
根菜は良く洗って、皮つきのまま使用します。葉菜、とくに青菜類んは浄血作用のある葉緑素が含まれていますから、旬の新鮮なものを摂りましょう。
ネギ類は、穀物成分の代謝に特に重要なビタミンB1を含み、その活性度を高める作用を持っているので、積極的に摂って欲しい食品です。
海草は優れた浄血食品で、肝機能の強化にも役立ちます。毎日なんらかの形で摂りましょう。

日本には伝統的な発酵食品があります。味噌、醤油、漬け物、納豆などです。
これらに含まれる「酵母」は、乳酸菌以上に腸内細菌の正常化に威力を発揮してくれます。味噌汁の場合、その整腸作用はもちろん、煮干しで出汁をとり、ワカメやネギ、青菜、豆腐、ダイコン、キノコ類など様々な食品と合わせたら、素晴らしい相乗効果が得られます。これを、玄米・雑穀ご飯と少量の漬け物にセットすれば、それで食事の基本形が出来上がるのです。
また、「味噌」には、美白効果・スタミナアップ・動脈硬化や高血圧の予防・アレルギーの追放などの効用もあります。
ただし、味噌汁の真価は、味噌が発酵食品であることですから、味噌の質がとても大事です。特に保存料などの添加物などが使われていないかどうかをしっかりと確かめる必要があります。化学薬剤である添加物が含まれていると、味噌の中に生きている酵母の繁殖が妨げられるからです。
また、即席味噌ではなく、昔ながらの製法で、十分な熟成期間を経て、きちんと作られている良質の味噌を選んでください。

周りを海に囲まれた島国・日本では、家畜ではなく、海産物である豊富な魚介類を摂っていました。
魚には、コレステロールを溶かし、中性脂肪を低下させるエイサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの有効成分が含まれています。そこから、最近は食用が大いに推奨っされています。
しかし、メチル水銀、ダイオキシンなどの含有量を、サンマ、カレイ「1」とすると、サケ、ブリどは「2~5」、マグロは「23」という高い濃度が出ています。大きな魚ほど、化学物質が蓄積しているという食物連鎖の問題があります。
また、丸ごと食べられる小魚の内臓にはビタミンB12が多く含まれているので、穀・菜食のベジタリアンには、貴重なビタミン源になります。
イカやタコに含まれるタウリンという成分は、優れた強肝作用があって貴重です。
「ヴィーガン」の場合は、この小魚に含まれる必須脂肪酸であるオメガ3系と、お野菜から得られないビタミンB12を、別に補わなければなりません。
オメガ3を、クルミなどのナッツで摂るか、「フラックスシード・オイル」の非加熱摂取が必要です。 ビタミンB12は、海苔に含まれており、ニュートリショナル・イーストやスピルリナで補う必要があります。 オメガ3を補わないと、肌がカサカサになり老化。酷い場合、神経障害が出ます。ビタミンB12の不足は、悪性貧血を引き起こしますので、注意してください。
闘病においては、決してヴィーガンを薦めるものではありません。昔から病気の時は栄養をとれと言われるように、小魚の栄養素が体に必須となります。

「塩」は、生体における全生理機能を確実に増強するものです。
①消化器官から分泌される各種消化液(特に胃液)の分泌を高める。それによって消化管のせんどう運動を促し、腸内での異常な発酵を抑える。
②血管や心臓内壁に付着している不要物を溶かし、取り除く。そのため、血管やリンパ管の老化防止が図られる。
③内臓全般の組織機能を活性化し、各臓器の生理機能と新陳代謝をスムーズにする。
④脳神経系の機能を活性化することで、精神活動を活発にする。
⑤防腐、殺菌、解毒の効果を高めることで、血液が浄化され、自然治癒力を増進させる。
日本の伝統製法の塩がベスト。標準的な天然の塩は、「岩塩」「湖塩」です。
森下博士は、一日に15グラムくらい摂ることを、お勧めしています。
自然塩が血圧を上げるという化学的根拠はなく、森下博士は、むしろ下げるという実験を行っています。
塩をうるさく言う西洋食は、肉自体がナトリウム源になっているので、穀・菜食には関係がないのです。むしろ、切り替えると不足しがちになります。

良質の調味料を使おう

醤油……日本の食卓にはどうしても欠かせない調味料。成分組成がよく、発酵食品なので、良質の微生物がたっぷり含まれている。消化・造血作用の正常化に役立ってくれるので、昔ながらの製法で製造し、保存料や添加物を加えていない良質のものを選ぶ。
油(植物油)……動物性の油ではなく、不飽和脂肪酸がたっぷり入っている植物油を使用する。菜種油やゴマ油は、化学的抽出剤を用いて作られたものは組成が変わってしまっているので失格。有害なトランス脂肪酸を含んでます。昔ながらの石臼搾りがベスト。製法としては、「低温・圧搾製法」に限ります。油の使いまわしも有害です。
他にエキストラ・バージン・オリーブオイルなどもおすすめ。これも「低温・圧搾」。ラードやバター、マーガリンは使用しない。特にマーガリンは植物性であっても、製造途中に油の組成が壊れてしまっているので、おすすめできない。
……昔ながらの製法でまじめに作られた穀物酢、果実酢を使うこと。青梅を煮詰めて作った梅肉エキスやカボス、スダチの汁を用いるのも良い。大量に使ったり、飲んだりする必要はにない。とりわけ穀・菜食中心の食生活をしている人は、体を冷やす結果になるので、控え目にしたい。
ソース、マヨネーズ、ドレッシング類……素材を吟味し、シンプルを心がけて、なるべく手作りしたい。ソース、マヨネーズを含め、市販製品は素材が複合的で、加工度が高いので、使用は極力控え目にしたい。
出汁……化学調味料使用の出汁類は使わず、昆布、煮干しなどの自然素材を使用する。
甘味料……原則として使用しない。特に細胞を緩め抵抗力を弱める白砂糖は使用しないこと。どうしても甘味をつけない時は、本物の黒砂糖を使用する。黒砂糖には、各種のミネラルや酵素などの有効成分が含まれている。
また、本物のハチミツがあれば用いても良いが、日本で販売されているもののほとんどは、麦芽糖などで水増ししてあるので、「純粋」と表示されていても、あてにならない場合も。

「水」。塩素で消毒された水道水が体に良くないのは、周知の通りです。
塩素が含まれた水が体に入ると、体内のヨードを追い出してしまうからです。内分泌臓器である甲状腺には、このヨードがたくさん含有されていますが、塩素を含む水や化学塩を構成している塩素などがこのヨードを追い出し、その代わりに塩素自体が居座って、甲状腺の働きを狂わせてしまいます。また、体内の酸化作用の媒介として働いているヨードが失われるために、抵抗力も落ちてしまいます。こういう理由から、「浄水器」を利用することをすすめます。
欧米の水は硬水で、高率にミネラルを含んでいます。これに対し、日本の水は和らかい軟水で、ミネラル分が少ないです。生理機能的には硬水の方が適していますが、その分、ミネラルを摂るために、自然塩が必要です。

「調理具」は、欠けやすいテフロンと、溶けやすいアルミは避けて、土鍋やステンレス、鉄を使いましょう。有害です。IHクッキングヒーターの「電磁波」は体に有害です。ラジエントヒーターに取り替えるか、カセットコンロを使いましょう。ホットカーペット・電気毛布は、極めて高い発がん性を持っています。電子レンジでの調理・温めは、食べ物の栄養を破壊するのでやめましょう。
また、有害添加物のシャンプーやボディソープ、化粧品の「経皮毒」にも注意しましょう。無添加せっけん、オーガニック・ソープを使いましょう。化粧品は肌断食が基本です。シャンプー自体がハゲの原因です。歯磨き粉は、口内炎の原因です。

忙しくて夕食がどうしても遅くなってしまうという方や、間食の習慣がある方に、いきなり「間食はやめなさい」言うのは無理なことかもしれません。
しかし、白砂糖や精白小麦粉、それにクリーム・バターたっぷりのケーキなどを間食にしていたのでは、いくら食事を玄米・菜食に変えたところで、なかなか効果は得られないでしょう。どうせ食べるなら、体に良いものを摂りたいものです。
そこでおすすめなのが、「ナッツ類」です。
現代人は温室で促成栽培されている野菜や「三白食品」など、体を冷やし、スタミナを減退させるものを多食しています。ガンを予防するためには、体を温めることが大事ですから、体温を上げてくれるナッツ類は最適です。
また、ナッツ類には不飽和脂肪酸がたっぷり含まれていて、細胞膜の機能を正常化し、細胞の抵抗力をアップしてくれます。ナッツ類を常食していると、毒素や精神的ストレスにも強い体になることができます。
さらに、ミネラル、ビタミン、租タンパクなどもたくさん含まれています。肝機能を強化し、便秘を解消し、血液を浄化する働きのあるクルミ、肺の機能を正常にして、咳や痰を落ち着かせるギンナン、毛細血管を強化し表皮の組織を強めて、細菌に対する抵抗力を増大させてくれる松の実は、浄血・長寿食品でもあります。
その他クリ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、マカデミアナッツ、デーツ(ナツメヤシの実)、竜眼などもおすすめです。

「果物」はビタミンや繊維が豊富なので、適量は摂りたい食品です。
ただし、前にもお伝えしたように、南国の果実には体を冷やすものがあります。そのため陰性体質の人は、特に注意が必要です。
リンゴやミカンなど、日本でたくさん穫れるものなら、適量ならほとんど問題はありませんが、パイナップルやメロン、スイカなどの南国果物は体を冷やすものなので、夏場以外はおすすめできません。やはり、野菜と同じように、果物も季節のものを食べるのが一番です。
果物は「朝が金、昼は銀、夜は銅」と言わてますが、これは賢い生活の知恵と言えましょう。
体温が上がる時間、これから活動を始めるという朝に食べるのがベストで、遅くとも午後3時ぐらいまでに食べたほうが無難です。体温が下がってくる夜は控え目にすべきです。また「果物を食べるよりもジュースの方が効率的」とばかりに、ジュースを買ってきて飲んでいる方がいますが、ビンやバックの場合、殺菌処理がほどこされており、果物本来の有効成分が失われています。ジュースは、ご自宅のジューサーやミキサーで絞りたてをどうぞ。
また、水分を飛ばして、栄養分が凝縮されているドライフルーツも優れたミネラル食品。ただし、漂白剤などの添加物が使われていないものを選びたいものです。

「飲酒」については、「ガンが進行していて、重篤な状態にある時は、しばらくは我慢して頂くしかありませんが、『自然医食』の効果が出て、体が回復されて来た患者さんには『少量なら』という条件付きで良しとしています」(森下博士)。酒は百薬の長と言って、適量なら自然治癒力を高めます。
ガンを予防したいという方であれば、もちろん個々の症状にもよりますが、なにも無理に禁酒する必要はありません。「適酒適煙」と言って、程良い量のお酒を美味しく頂くことは、ストレス解消やリラックスにも役立ちます。森下博士の百歳長寿者の研究でも、お酒はよく飲まれています。ワインはオーガニック、ビールはオールモルトを。白米の日本酒はダメ。

「たばこ」は、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害ガスを体に取り込むことになるので、たばこは有害だと言うことになりますが、単純に切って捨てられないところがあります。たばこは現在まで世界中の多くの人たちによって、連綿と喫煙習慣が引き継がれてきたと言うことは、それなりの効用があったからです。
たばこには、精神的・肉体的な疲労を回復させてストレスを解消できること、利尿作用、腸のせん動運動の促進、異常食欲の防止、興奮抑制、欲求不満の解消など役立つ効能があります。
ところが現代社会では、発がん物質の筆頭に挙げられ、嫌煙権はどんどん拡大され、公共の場でタバコを吸える場所はほとんど無くなりました。日本においては、喫煙が統計的に減少していっているのに対し、肺ガンは増加の一途を辿っています。なのに最大の病原として扱われ続けている。あまりに盲目です。こういうのは差し置いても、たばこ産業のたばこへの添加物はあまりに異常であるので、喫煙される方には、コンビニのたばこはやめて、「無添加手巻きたばこ」をおすすめします。これで純粋に、たばこだけを吸えるようになります。「適酒適煙」です。森下博士の研究した長寿郷では、百歳以上の喫煙者が多くいました。中には「百年以上、毎日吸い続けて来た」と言うつわものもいました。

薬草茶

薬草茶

「日本茶(緑茶)」は、ビタミンやポリフェノールを含み、抗酸化作用もバッチリ。有機のものを、「食後」に飲みましょう。
食事を玄米・菜食にして気をつけていても、飲み物が牛乳やジュース、それに白砂糖やクリーム類をたっぷり入れたコーヒーや紅茶、どんな添加物が入っているか分からないコーラや清涼飲料水では、血を汚す一方で、ガン退治や予防になりません。そこで見直したいのが、日本茶(緑茶)。ただし、ペットボトルのものは、農薬まみれに添加物です。
カフェインが入ってないものとしては、三年番茶。緑茶は体を冷やすのに対し、三年番茶は体を温めます。冬にピッタリです。これも有機のものを。
通販では、ストレートで飲みやすい有機和紅茶(瀬戸谷もみじがお勧め)とオーガニック・コーヒーが売られています。ただし、カフェインが入ったものは、飲み過ぎないことです。
水か三年番茶、薬草茶を水筒に入れて持ち歩く習慣を。

薬草茶を常用茶に

「薬草茶」は、浄血効果のある飲み物として、森下博士がガン患者さんたちに薦めているものです。
昔から、野草に含まれる成分が病気治療や健康増進に効果があることを、人々は経験的に知っており、利用してきました。それが今日、薬草茶で、お茶の代わりに常用することで、薬効が得られます。
厳冬の冬に風雪に耐え、大地に根を張って土のミネラル、太陽の光を十分吸収してきた薬草は、環境への適応力や強い生命力などを備えています。このバイタリティーを薬草茶として飲むことで、もらい受け、パワーアップやガン・慢性病の治療効果につなけることができるのです。

エゾウコギ――強壮・強精作用があり、疲労回復に効果がある。単純ヘルペス感染の頻度を低下させる。
カワラヨモギ――肝臓機能の正常化作用があるので、血液の浄化が進む。解熱・消炎作用もあり、肉食の害を除去してガン体質を改善する。
カンゾウ――健胃作用が大きく、抗アレルギー作用がある。副腎皮質ホルモンに似た作用をもつ成分も含まれており、抵抗力を強化する。整腸作用が大きく、血管に沈着したコレステロールを洗い流す作用もある。
クコ――昔から万能薬・延命薬として有名。薬草の中でもとくに総合的な薬効を強力にあらわす。
シャゼンソウ(オオバコ)――セキの妙薬だがすぐれた健胃効果もある。ビタミン、ミネラルも豊富で、粘膜の抵抗力を強める。消化液の分泌をスムーズにする作用もあり、強肝作用も大きく、血液の浄化力も高い。
ドクダミ――緩下作用、利尿作用があり、常用していると胃腸が丈夫になり、血液の性情が正常化される。
ハトムギ――消化器系のガンや子宮ガンに効果がある。利尿作用があり、体内の余計な水分とそこに溶け込んでいる老廃物を速やかに排泄するので、浄血効果も高い。
ムラサキ――消化器系のガン、乳ガン、皮膚ガン、白血病などに効果がある。毒素の排泄が促進され、全身の細胞の新陳代謝が促される。
レンセンソウ――糖尿病や腎臓病に効果がある。ガンの悪化には、血液性状の異常と排泄機能の障害が大きな関係を持っているので、糖尿病・腎臓病に有効な薬草はガンにも効果的に作用する。また、鎮静作用、利尿作用、強壮効果などもあるので、抗がん効果がある。

「これらの薬草をご自分の体調、症状に合わせて数種類を組み合わせたものをお茶がわりに常用すると、胃腸にも負担がかからず、薬草のエッセンスが効率よく補給できます」(森下博士)
効率的な水分補給となり、利尿作用や緩下作用がある薬草もあるので、活動している日中に飲み、夕方以降は控え目にしましょう。

体質を陽性化する食べ方の工夫

現代人は水分や食物の旬を考えず、体を冷やす食べ方をしています。それが、低体温化を招き、ガンや慢性病が増え続けている一つの原因でもあります。体温が上がれば免疫力がアップするので、それだけでもガン予防になるのですから、普段から体を冷やさないような生活を心掛けることは大切です。
特に食物のとり方は、体温に大きな関わりがあります。それは、食物自身に体を冷やす「陰性」や、体を温める「陽性」の性質が備わっているからです。ですから、現代人に多い「陰性体質」の方は陽性の食物を、逆に「陽性体質」へ偏りが大きい方は陰性を摂ることで、体質が中庸となり、健康な状態に保たれます。
原則として、体が冷えている「陰性体質」の方が避けた方が良い「体を冷やす陰性の食品」は、葉菜類(レタスなど)、果物、水、砂糖などです。これらの食品はなるべく避けるか、そうしても摂る場合も、暑い時期や気温の高い時間帯に限ります。
逆に摂った方が良い陽性の食品は、根菜、穀物、木の実、塩などです。具体的には、根菜では、ニンジン、ゴボウ、レンコン、ネギ類ではワケギ、ネギ、ニンニク、野草ではヨモギ、タンポポ、イモ類ではジネンジョ、ヤマイモなどです。塩分を含む発酵食品、たくわんや味噌漬と言った漬物もいいでしょう。他に塩分を含む海草、塩昆布なども要請食品です。調理する時には、加熱したり、漬け物にして、水分を飛ばし、塩を加えます。とくに根菜類は、ゴマ和え、油炒めなどにするといいでしょう。
食物の陰陽の見分け方があります。
白いものは陰性、黒いものは陽性という傾向があります。ミネラルが入った黒糖の方が、精製された白砂糖より体を冷やしません。黒い玄米パンより白い小麦粉や砂糖を使った白パンは体を冷やします。
また、その食物の原産地を考えるのも、一つの方法です。
例えば、メロンやパイナップルなどの南国産の果物は体を冷やす陰性食物です。それh、南国で生きて行くためには、体を冷やすことが必要条件であるからです。
このように、食物の陰陽を知って、体を温めることを心掛けてください。本当に現代社会における生活条件は、体を冷やすように作用する要素が多いから要注意。体温をさげないように工夫することと、基礎体温を高める努力をすることは、極めて大事な抗がん対策なのです。

夕食は就寝3時間前までに終える

一日を通しての「食事の仕方」を確認しておきます。
まず、朝食は、軽めが原則です。もともと日本人は二食だったものが、戦国時代以降、三食に増えたようです。朝は体を目覚めさせ、副交感神経から活動するための交感神経にスイッチを切り替えるよう、ごく軽く食べる程度で良いでしょう。午前中は排泄タイムであり、体から余分なものを出し切る時間帯です。腸のせん動運動を起こし、排泄をスムーズにする必要もありますから、水分は適量をとりましょう。
昼も軽めにすませるのが、おすすめです。お勤めの方でしたら、弁当を持参して行かれるとよいでしょう。外食は肉類が多く、どんな食材を使っているかも確認できません。玄米・雑穀を食べるのも難しいでしょうから、どうしても外食になる場合は、日本そばが無難です。冬は根菜類がたくさん入った温かい「けんちんそば」、夏は薬味をたっぷり添えた「ざるそば」などもいいでしょう。
夕食は、玄米・雑穀ごはんに「季節の野菜」「海草」「小魚」のおかずそして、発酵食品の「味噌汁」を忘れずに。軽く一杯ぐらいの晩酌も良いでしょう。夕食は自然医食のルールに則っていれば、それほど神経質になる必要はありません。ただし、就寝の3時間前までに終わらせるように気を付けてください。
胃の中のものが消化されるためには、最低でも3時間ぐらいはどうしても必要です。
本人にその意識がなくても、寝る直前に食事をしたのでは、胃腸をはじめ、体が食べ物を消化しようと必死になって動いていますから、体は休んだことにならず、眠りはどうしても浅くなってしまいます。
夜、寝るということは、脳を休ませるためだと思われているようですが、実はそれだけではありません。体の中で、消費された消化液の補充や、体にとって必要なものと不必要なものの「仕分け」が行われており、必要なものは腸から取り込まれ、そうでない者は翌日の朝、排出されます。つまり、睡眠は、消化・補完作業や仕分け作業の時間であり、それに集中させるために脳を休ませているのに過ぎないのです。
ですから、極端なことを言うと、食事をしなければ、寝る必要はないのです。「寝食を忘れる」と言う言葉がありますが、あれは、「食べなければ寝る必要がない」と言う意味も含まれているのではないかと思っています。断食すると睡眠が短くなるのです。

こんなメニューでガンを治そう

発がん食品をやめて野菜中心の食事に切り替えても、主食を玄米・雑穀ごはんにしなければ、ビタミンやミネラル不足になってしまいます。そこで 飽きないよう、玄米・雑穀ごはんのバリエーションをご紹介しておきましょう。
玄米――玄米ビーフン、玄米もち、玄米せんべえなど
雑穀――ハトムギがゆ、焼きとうもろこし、全粒粉パン、全粒粉スパゲッティ、全粒粉うどん、十割そば、アワもち、キビもちなど
市販のパン――無添加、無漂白はもちろん、未精白のきぐるみの粉を使っているかどうかが大切。
外食――日本そばにするのが一番無難。そば粉の割合が多く(できれば十割そば)、色の黒いものを選ぶ。

単調になりがちな副食も、シンプルなおかずでレパートリーを増やしていけば、自然医食の実行はラクになります。ここにあげているのは、ほんの一例ですから、各家庭で工夫してみてください。
根菜類を使ったおかず
ニンジン――精進揚げ、カレー、油揚げの袋煮、きんぴら
ゴボウ――きんぴら、たたきごぼう、煮しめ
レンコン――おろし揚げ(シソの葉を巻く)、煮物、煮ハス
ダイコン――ダイコンおろし、ふろふき、味噌汁の具
葉(茎)菜を使ったおかず
青葉――ニラの油炒め、春菊のゴマ和え、三つ葉のおひたし
グリーンアスパラガス――天ぷら、茹でワサビ醤油がけ、スープ煮
フキ――煮含め、炒め煮
ネギ――生ネギ味噌和え
海草を使ったおかず
ヒジキ――油揚げとの炒め煮、白和え、炊き合わせ
ワカメ――味噌汁の具、ぬた、若竹煮
昆布――昆布巻き、おでん、がんもどき
発酵食品を使ったおかず
納豆――ネギの他にミョウガ、ニラ、タマネギ、ダイコンおろしなどを加える、納豆汁
味噌――味噌汁、みそぎょうざ、野菜の味噌煮、鉄火味噌
小魚類を使ったおかず
ジャコ――おろし和え、かき揚げ、詩味噌和え
アサリ――味噌汁の具、酒蒸し、からし和え
イカ――酒炒りしてワサビ醤油がけ、照り焼き、味噌和え
無添加の大豆ミートを置いておけば、料理の幅が広がります。

まとめ・断薬・体質改善反応

ガンは食事で治す

ガンを消したり、予防するためには、次の四つの条件を満たすことが必要です。

①ガンの原因となる食物を体の中に入れない(生食)
②血液を汚す原因となる毒素を発生さえないために、腸内の細菌叢を整える(整腸)
③血液をきれいにする(浄血)
④細胞を活性化させて、自然治癒力を増強する(細胞賦活)

「自然医食」療法の四つの原則。

①発ガン物質である肉、牛乳、白米、白砂糖、化学塩、化学合成物質(化学調味料、保存料や着色料などの添加物)の入った加工食品などを食べない。
②主食は、玄米を中心として雑穀を加えた玄米・雑穀ごはんを主食にする。玄米5割、キビ、アワ、ハトムギなどの雑穀とアズキ、クロマメなどを合わせたもの5割が理想。この玄米・雑穀ごはんをとにかくよく噛んで(一口100回以上)食べる。主食の量は食事全体の1/2から2/3に。
③副食には「季節の野菜」「海草」「発酵食品」「小魚」を。野菜は可能な限り無農薬・有機農法で作られたものにする。根菜は皮つきのまま使う。発酵食品である「味噌汁」をプラス。副食割合は、多くし過ぎないことが大事。
④調味料は、昔ながらの製法で作られた添加物の入っていない本物の味噌、醤油、植物油(圧搾製法によるもの)、自然塩、保存料などの入っていない自然酒に限る。甘味は塩分の使い方、自然酒、タマネギの活用などによって素材がもっている自然の甘味を引き出す。

「体質改善反応」が出ても続けることが大切

自然医食療法を実践し始めると、さまざまな症状が出ることがあります。これを「体質改善反応」と言います。
肉食をやめ、それまでと違った内容の食事に切り替えると、血液の性状が大幅に改善されていき、長い間、組織に停滞していた毒素がどんどん排泄されていくようになります。その結果、体全体の新陳代謝が活発になるのですが、その生理機能の大きな揺れが、様々な症状として現れます。早い人では1週間ぐらいから、遅い人でも3ヵ月から半年ぐらいに反応が出てきます。
現れ方は千差万別ですが、「自然な手当」として、発熱の場合はくず湯を飲むとか、胃痛の場合は熱い梅生番茶を飲むといった方法です。
食を変え、ファスティングすると、体の効率が良くなり、睡眠時間が縮むので、頭痛などは、意識的に良く寝ることが大事です。肩こりは、磁気ネックレスがよく効きます。
このような体質改善反応が起こるのは、本格的に体が回復していることを意味します。体重も落ちますが、ここで自然医食療法を中断せずに、そのまま続けてください。
症状は必ず自然におさまります。あわてて現代医学の薬を服用したりしないようにしましょう。それまでの努力が水疱に帰してしまうことになります。
この反応が出る時期は、発がん食品(肉、卵、牛乳、白米、白砂糖、化学調味料)は決して摂らないように注意します。反応が極端に出やすいので、たとえ少量でも危険です。症状が出るのを境に、体質は好転して行きますから、快癒を楽しみに明るい気持ちで、この時期を乗り切りましょう。

「合成化学物質」に過ぎない化学薬剤をやめる

自然医食療法でガンを治そうという方には、「合成化学物質」に過ぎない化学薬剤の服用中止が大前提となります。化学薬剤は症状の一時しのぎにしかならず、自然治癒力を弱めてしまうからです。しかも、体の細胞に取り込まれ、長時間働くように作られているため、一旦体の中に入ってしまうと、なかなか外に排出されず、結局、その薬剤自体が「発ガン物質」になってしまうという怖い点も持ち合わせています。
化学薬剤は化学的に合成された物質であり、それは、添加物や農薬などと何ら変わりはありません。たとえある症状や臓器に有効と見られる作用が見られたとしても、他の正常な臓器や働きには、多かれ少なかれ「毒性」を表すことになります。
その証拠に、化学薬剤の副作用に悩んでいる方は大勢います。また、その副作用を抑えるために、別の薬を処方され「気がついたら10種類以上も薬を飲んでいた」という方も少なくありません、それが体に悪影響を及ぼすことは、常識で考えてもわかります。
このような観点から、自然医食療法では、化学薬剤を発ガン物質と捉えており、極力早く縁を切るように指導しています。それがガンを根治するためであり、確実に予防・再発防止するために、必要不可欠事項であるからです。

「持続はちからなり」続けることで体が変わる

食べ物に不自由し、いつもお腹を空かせていた戦中・戦後を知っている世代ならいざ知らず、テレビでは毎日グルメ番組が放映され、食品のコマーシャルが頻繁に流され続け、24時間コンビニエンス・ストアで食品が買える現在の日本。このような状況では、自然医食療法を続けるためには、かなり強い意志が必要かもしれません。
もちろん、自然医食療法のルールに従って食事管理を徹底した頂くことが、ガンを消すためには、最も重要です。しかし、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、あまりにストイックになり過ぎると、ストレスが溜まり、長続きしません。
一定期間以上、自然医食療法の原則に沿った食生活を続けると、自然に体の方が、不自然な食品を受けつけなくなりますから、この体の自然性を信じて気持ちを楽に持つよう努めましょう。もし、お付き合いで焼肉屋さんに行くことになって、肉を食べたとしても、「ああ、ダメだ」などと落ち込まないでください。
たとえば、それまで一週間、厳密に自然医食療法を実行していたのなら、その一回の食事で、それまでの成果がまったくゼロになるわけではないからです。もちろん、焼肉を食べてしまったことで、せっかく奇麗になりつつあった血液が、汚れてしまうことは避けられません。
しかし、成果が7歩進んで1歩後退したのなら、少なくとも6歩は前に進んでいるのです。
人間は「絶対ダメ」と禁止されると、どうしても、そこに執着してしまうものですが、少しゆるめに「月一回くらいは良いかな」ぐらいの気持ちでいれば、それほどのつらさも感じずに継続していけるものなのです。
少し脱線し後退する日があったとしても、まだ、軌道に復帰して続ける……これを繰り返していけば良いのです。これこそが健康な心身を手に入れるための極意と言えましょう。


<参考文献リンク>
『ガンは食事で治す』 森下敬一

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