食べなきゃ、治る!
野生動物は、みんなそうして病気や怪我を治しています。
イヌやネコでもそうしています。
野生動物は、病気や怪我をしたら、何も食べずに巣穴の中に身を横たえ、静かに回復を待ちます。
「食うな」「動くな」「寝てろ」
こんな簡単な生物の基本の療法、最善の自然治癒法を理解しないのは“人間”だけです。
風邪を引いても断食。腹痛も下痢も断食。肌荒れ(肌断食を含む)も皮膚炎のかゆみも断食。だるい気怠いでも、うつでも断食。痛風、便秘、骨折、冷え、腰痛、肩こりも断食……。
なのに、具合が悪くなると、すぐクスリを飲みます。それは基本的に“毒”だと言っても、聞く耳もちません。医者は病気を治せない。自然治癒力が自分を治します。
病気したら医者に行くのはマインドコントロール。病気したら食べろと言うのもマインドコントロールです。
三食を消化・吸収するための消費エネルギーはフルマラソンを走りぬくことに匹敵するとも言われています。体は病気・症状を治したいのに、さらにその上に毒物の処理です。
症状が出たら、脱洗脳して、ファスティング(断食)を行いましょう! それが自然の法則です。
ファスティング(減食、少食、一日一食)は、糖尿病、心臓病、肝臓病、ガン病、難病、透析患者まで治します。水虫、痔、リウマチ、不妊症、EDも断食で見事に改善します。
「カロリー6割に制限したネズミは2倍生き延びた!」
1935年、米コーネル大学、C・M・マッケイ教授の論文です。逆に、食べたいだけ食べた飽食のネズミは命を半分に縮めています。数多くの実験が、それを立証しています。
「食べる工夫ではなく、食べない工夫をしろ」「空腹を楽しめ」
ヨガの教えです。
「飽くほど食うなかれ」
イエスの山上の垂訓です。
「小欲知足」
ブッダの教えです。ブッダは一日一食です。
ファスティングで、消化エネルギーを、治癒・免疫・排毒エネルギーに転嫁、集中させることができます。
空腹感は、生命力にスイッチを入れます。空腹感(飢餓感)は、身体にとっては一種の危機状態です。そこでアラームが鳴り、身体の生命維持システムが一斉に作動します。免疫力や自然治癒力、排毒力にスイッチが入り、白血球など免疫細胞が増えます。それは全身細胞レベルで起こります。
体細胞内から排毒が促進され、全身の新陳代謝が加速されるのです。こうして全身が細胞レベルでクリーンアップされ、全身の生命機能はみずみずしく蘇るのです。
ファスティングをする気になる――それは生物として本能に目覚めたことを意味します。
万病は「体毒」より生じます。「体毒」には、「食の毒」と「心の毒」があります。
「食の毒」は、代謝力を越えて食べることで老廃物として溜まります。つまり、「過食」の毒です。
「心の毒」は、苦悩や不安などで発生するアドレナリンなどの有毒ホルモンとして発生します。毒蛇の3倍から4倍と言われる猛毒です。それが全身をめぐるので気分が悪くなり、ムカつきます。
ファスティングは、これらの「体毒」のすみやかな排毒・分解・浄化をうながします。そこには3つのステップがあります。
(1)自己浄化――「生命」とは、“IN・OUT”で成り立っています。断食は“IN”をストップすることで“OUT”(排泄)を加速します。この排毒(デトックス)により、身体はクリーニングされ自然が与えてくれた理想状態に戻るのです。
(2)病巣融解――排毒による自己浄化は病巣部分が、最優先で分解・浄化されてゆきます。これが病巣融解です。
血管のアテロームも優先的に分解されます。アレルギー炎症を起こした部分も優先的に浄化されて行きます。
肝臓の体毒も分解が進み、腎臓のフィルターの目詰まりも自然に浄化されます。
ガンなどがその典型です。ガンの正体は「体毒」を一ヵ所に集めて血液を浄化する延命装置なのです。だから、断食でガンは真っ先に分解・消滅していきます。
(3)組織再生――浄化・融解した病巣部分には、新しい組織、器官が再生していきます。これがオートファジー現象(細胞が自らの一部を分解する作用。自食作用)です。断食こそが真実の再生医療なのです。
断食博士として高名な甲田光雄医師は、ファスティング「10の効能」をあげています。
①体質を変える
②快感をもたらす
③エネルギーが変わる
④宿便を排泄する
⑤環境毒を排泄する
⑥「自己融解」を起こす
⑦遺伝子を活性化する
⑧スタミナをつける
⑨免疫力をあげる
⑩活性酸素を減らす
「断食をするとストレスに強くなる」という事実も科学的に証明されています。断食をするとホルモンの司令塔である「脳下垂体から、ストレスに強く対抗する物質が出る」のです。
ショウジョウバエを使った実験で、「空腹時になると記憶力が向上する」仕組みを発見した研究もあります。
「朝食を抜くと脳の機能が低下する、という説は机上の空論にすぎない」(甲田医師)
「満腹と空腹のとき、仕事や勉強の能率はどちらが上がるか? それは空腹のときです」(同)
「腹が減るほど真に調子が出る。それが真の健康体である」(沖正弘ヨガ導師)
多く食べている人は、脳がブドウ糖だけのエネルギーに依存しますが、断食中の脳はブドウ糖を30%しか消費しません。脳のエネルギー源の50%は「ケトン体」(β・ヒドロキン酪酸)にシフトします。残りは10%「α・アミノ窒素」、10%「アセト酢酸」。カナダのオーエンス博士の研究です。
ケトン体は脂肪が分解されてできる物質です。
「ケトン体をエネルギー源とした脳は、脳波の一つであるα波を増やし、脳下垂体からはβ・エンドルフィン(快感ホルモン)という物質の分泌量が増える」(甲田医師)
つまり、ファスティングは心身をリラックスさせ平穏に保ち、至福感もたらします。
「宗教では心身の浄化のために断食を行いますが、それはこうした仕組みを経験的に知り尽くしているからなのです」(同)
「万病の原因は血液の汚れである」(森下敬一)
老廃物が完全に排毒されていない「ドロドロの血液が万病を引き起こす」のです。
「……そして、宿便はついには、心筋梗塞、ガン、膠原病、アトピー性皮膚炎など、いろいろな病気を引き起こす原因になります」(甲田医師)
宿便の毒素が、全身をめぐって万病を引き起こします。
「長時間、お腹のなかに何も入れてないことによって、腸は活発に動き、みずからの排泄する能力を高めるのです」(同)
「環境毒」とは、農薬や食品添加物などの有毒な合成化学物質、水や空気などの汚染物質。シックハウス。大手ハウスメーカーは化学建材まみれ。有毒なVOC(揮発性有機化学物質)が揮発して室内にたちこめています。合成洗剤や化粧品、シャンプー、整髪料などは「経皮毒」と言います。
市販の合成シャンプーをネズミの背中に塗布する実験は、脱毛して皮膚はただれ、3分の1のネズミが血を吐いて死亡(三重大医学部坂下博士実験室)
「自己融解」とは――体の細胞が血液に戻る――という現象です。
「肉」や「骨」など体細胞は、赤血球が変化したものです。断食でその反対の現象が起こるわけです。
「断食でいっさいの栄養分が断たれると、体はどこからか栄養分になるものを探し始めまます。さしあたって、生命維持に絶対必要なもの以外の組織から栄養分を取り入れて、エネルギーに換えます。これを『自己融解』といいます」(甲田医師)
断食は遺伝子を活性化する。その典型が長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)です。カロリー制限で発現し、老化を防止する。米カルフォルニア大学S・スピンドラー教授によるマウス実験で19個の遺伝子が若返ることを証明しています。
断食すれば体内への活性酸素の取り込み量が減るという実験結果もあります。
完全断食の方法にはいろいろありますが、本当は水と自然塩でやります。水と自然塩さえあれば、一応理論的には3ヶ月半は大丈夫だそうです。1ヶ月以上の断食は、断食指導があるのがお勧めしますが、病気や怪我を治す「3日食べなきゃ、7割治る」が、対処療法として、お勧めなのです。骨折は骨がピシッとくっついて、痛風の痛みなどはピタリと止まります。
<参考文献リンク>
『3日食べなきゃ、7割治る!』 船瀬 俊介
三日食べなきゃ、7割治る!
創造的な人生を歩む
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