「日本人に木で家を建てさせるな」
これが、アメリカの占領政策でした。
「石油で家を建てさせろ!」
プラスチック、接着剤、防腐剤など新建材で家を建てさせる。石油合成化学のマジック。石油化学会社が、なんと住宅会社に化けたのです。戦後の住宅メーカーは、ほとんどが「化」の文字がついてしまいました。ヘーベルハウスの旭化成、積水ハウスの積水化学工業などが、その代表です。
天然素材の住宅に、素知らぬ顔で“化けて”いる“化物”住宅です。
伝統建材である木材、漆喰、土壁、瓦、石材さらにイグサ、畳などの天然素材から大きくかけ離れました。
戦後、雨後の竹の子のように林立したセキスイやミサワの住宅の平均寿命は、なんと25年。長くても30年足らずです。
それに対して、イギリスは141年。アメリカは103年です。
寿命は4分の1で、価格は2倍。つまり、8倍も高い住宅を日本の消費者は売りつけられているのです。
これは欠陥商品以外の何ものでもないです。しかもローンは35年。25年を引けば、残る10年はホームレスとなります。
戦後、高度経済成長期に林立したプレハブ住宅は、即席バラック。寿命は短くて6年。長くて9年という詐欺商法でした。
戦後50年の日本国内でのプラスチック消費量は、なんとその伸び率900倍。
その代表は、「塩化ビニールクロス」。プラスチック壁材なのに建築業界では“クロス(布)”と呼んでいます。詐欺です。
塩ビノポリマーは発がん物質です。成分の半分を占める柔軟材フタル酸エステルは、猛毒の環境ホルモン。塩ビ“クロス”は、すぐに剥がれて垂れて醜くなる。通気性がないので、壁内結露する。それを断熱材グラスウールが吸湿する。壁の内側はカビ、腐敗菌、ダニ、ゴキブリの巣窟となり、根太を腐らせ、アッという間に土台も腐る。“クロス”は、日本の住宅を短命化させるための仕掛けでしかないのです。
さらに、接着剤に添加された防腐剤(ホルムアルデヒド)などが「シックハウス」で住民を襲う。それは発がん物質であり、精神毒物なのです。殺人住宅です。
「石油で家を建てさせろ!」
ロックフェラーの命令は、忠実に履行されたのです。
これは自然治癒力を教えない医学界とまったく同じ。大学の建築学科では、「木造建築」の授業が1時間もないのです。
日本は国土の76%が森林で、スウェーデン、フィンランドと並ぶ世界三大森林大国です。なのに教えない。
日本の一級建築士で、木造住宅の図面を引けるのは、50人に1人しかいません。自分で勉強するしかない。
さらに気象学、生理学も一切教えない。建築は「風土」を抜きに、人の「健康」を抜きに存在しえません。教えるの「デザイン」と「構造論」くらい。
つまり、“デザイン至上主義”が頭の中身なのです。
その代表格が、“建築の神様”東大教授、丹下健三でしょう。別名、戦後建築界のドン。集大成と言える作品が東京都庁舎。築後わずか6年で雨漏り。外観をノートルダム大聖堂に真似たのが災いしました。かの地は雨が極めて少ない。それに比べて日本は温帯モンスーン地帯、降雨量は半端ない。とくに梅雨毒、台風時は横殴りの雨。大聖堂と同じ角ばったデザインは、角隅から雨水は侵入する。さらに新庁舎ではアスベスト汚染の深刻さが囁かれています。
生理学を学ばなかった悲劇の最右翼は、やはり元東大教授の安藤忠雄。そのデビュー作「住吉の長屋」はコンクリート打ちっ放し。日本建築学会賞を受賞。しかし、それはまさに石室か棺桶。夏は熱射で蒸し風呂。冬は冷輻射で骨の髄まで冷える。まさに殺人住宅の称号がもっとも相応しい。
「断熱」は、夏の暑さ、冬の寒さを凌ぐため、建築学の命と言えるもの。しかし、建築学科では1時間の講義もない。病気の治し方、病気の原因を教えない医学部狂育とそっくり。建売住宅やメーカーハウスの家は、とにかく夏は暑い。冬は寒い。
「結露」も建築学科ではまったく教えない。断熱のない住宅は、冬場は壁や窓にびっしり結露する。夏場は室内クーラーで冷やされるため壁内で結露する。その水分が根太、土台を腐らせ、住宅寿命を縮める。こうして築25年でご臨終となる。
「防音」についても、無頓着。安藤氏の「住吉の長屋」などコンクリート打ちっ放し住宅は、2階でボールペンを落としただけで、家中に響き渡ったという。
法隆寺は、世界最古の木造建築として現存し、寺社仏閣は、いくたびの地震に耐えて、泰然として立っている。その基本構造は、束石工法(礎石工法)と言わて、「束石(つかいし)」という礎の上に柱を載せて建てられています。これが地震の振動を受け流し、寺院は耐えることが出来たのです。
しかし、信じられないことに、戦後の建築基準法は、この束石工法を禁じたのです。それは医師法が、自然治癒力を生かす自然療法を禁じたに等しいのです。これは狂気であり暴力です。
行政は、その代わりにコンクリート基礎を造ることを命じ、そこに角材を横にして乗せ、アンカーボルトで固定する工法を命じたのです。これが緊結工法。住宅は大地と緊結しているため、地震の縦揺れ、横揺れに大きく揺さぶられます。
コンクリートと木の相性は悪い。さらに横向きにすれば腐りやすい。
建築史で教えるのは、安土桃山時代に大名、富豪が金にあかせて建てた数寄屋建築。それは“好く”に通じ、贅を尽くした趣味の建築にすぎない。本当の木造住宅は、商家建築、民家建築にこそあったのに、建築学科では一顧だにされません。
◎環境ホルモン
建材プラスチックのビスフェノールA(エポキシ樹脂等)、スチレン類(発泡スチロールなど)、フエル酸エステル類(塩化ビニール等)、ノニルフェノール(塩ビ製品)など。
生殖系や神経系などを攪乱する有毒ホルモン。不妊症の原因。環境ホルモンは50mプールに目薬一滴でも有害。
◎有機リン系化学物質
ホルムアルデヒド
防腐・防カビ剤としてビニールクロスや建築用接着剤に多用。
毒性は発がん性、神経毒性、アレルギー毒性、喘息など。
◎有機溶剤
塗料、接着剤、シロアリ駆除剤、ビニールクロスなど。
毒性は、発がん性、神経毒性、変異原性、麻酔作用、頭痛、めまい、目・鼻・喉への刺激、皮膚炎など。
◎塩化ビニール
ビニールクロス成分の半分を占める。
塩ビモノマーには強い発がん性、遺伝子毒性。さらに塩化ビニール病という病名まであります。発がん性、血小板減少症、肝機能障害、脾臓肥大、胃・食道静脈瑠、白血球減少症など。
壁面積の換算で、漆喰を1%とすると塩化ビニールクロスは99%。
「コンクリート住宅で9年早死にする」(島根大学中尾哲也教授)
ねずみの赤ちゃんをA:木造、B:コンクリートの2つの素材で作った巣箱で飼って生存率を比較した実験報告があります。その結果はA:85%、B:7%と圧倒的大差がつきました。木造はコンクリートの12倍以上も生存率が高かったのです(静岡大学農学部実験)。
言い方を変えれば、コンクリートの住まいは、木造より12倍も寿命を縮めることになります。さらに両者の行動にも大きな違いがみられました。木造巣箱のネズミたちは性格が穏やかで、お互いなめ合ったり、仲が良い。一方、コンクリートのネズミは、喧嘩したり、飼育舎の指に噛みつくなど気が荒い。明らかに生理的ストレスで攻撃的になっているのです。さらに研究者を戦慄させたのは、母ネズミがわが子を嚙み殺して食べてしまったことです。
研究者が到達した結論は「コンクリートが体温を奪った」から。いわゆる“冷ストレス”。それは命に関わります。そのため、ネズミは木造の12倍も死亡し、ストレスで他を攻撃したのです。
図は無添加住宅の天然素材ですが、無添加住宅で家を建てれば、シックハウスと断熱、結露の問題は解決されます。耐久年数も80~100年の木造です。我が家のキッチン・ダイニングとリビングは、これでリフォームしました。家具は無垢材と無塗装・天然塗装のものです。自分の部屋はもともと土壁の和室です。無添加のしょうふのりで障子・襖を張り替えてます。基礎はコンクリですが、これだけでも快適で健康になります。
日本の伝統建築の木造を建てる場合は、束石工法を組み込むことができ、その上に無添加を実現させることができます。船瀬俊介さんの本を参考にしてください。
<参考文献リンク>
『いのちのガイドブック 新医学宣言』 船瀬俊介
『木造革命 木の家づくりから木の街づくりへ』 船瀬俊介
無添加住宅
住みまちがいは、生きまちがい
創造的な人生を歩む
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